今回は、レッスンの時に弾くテキストが複数ある場合、どの曲から弾くか、という他愛もないことから、ちょっぴりハッピーにしてもらったお話です。
どんな順序でも
私が子供の頃は、レッスンのスタートはテクニックのテキストと決まっていて(指のウォーミングアップのつもりだったのかな?)、続いて練習曲、そしてもう1曲。というように、毎回同じ順序でレッスンが進んでいきました。
そもそも、私が最初に弾いていたテクニックのテキストは、何もウォーミングアップの為にある訳ではないので、どのタイミングでやってもいいのです。
なので、当ピアノ教室(高槻市)では、弾くテキストの順序は生徒さんにお任せしています。というのは、その子なりの心づもりがあると思うからです。
その時々の思い
ですから生徒さんによって、いつも同じ順序の子もいれば、毎回違う子もいます。
その中でも、良く弾けてる曲を先に弾く子、反対に、弾けてないのを先に弾く子。それも週によって変える子も!
嫌なことを「先に済ませてしまおう」とか、弾けてる曲を「早く聴いて貰おう」とかをそれぞれに考え、行動するのを生徒さんに任せるのです。
面白いことに、ここでも個性が表れます。
些細なことですが、習う側からしたら結構、重要事項です。私にも覚えがあります。
たかが弾く順序で、レッスンの雰囲気が変わる事例がこちら!↓
今週は?
さて、やって来たのは中学1年女の子Sちゃん(高槻市)です。
そういえば、彼女は先週、全く練習をせずにやって来たんでした(※)。
<今週はどんなんかな?>
どんな状態でもいいから、レッスンにおいでよ~と思いつつも、やって来た生徒さんの顔を見たら、誰に対しても、今日はどんなかな?っと期待をするのは、毎回の事です。
特に!彼女は先週、「やるわ」と言っていたので、期待しない方が難しい!
※:こちらもどうぞ→「生徒さんが全然ピアノ練習して来なかった時のレッスン事例 ~ 中1女の子Sちゃん(高槻市)」
レッスン開始!
Sちゃん、自分で決めた1冊目のテキストを開きます。
私:「さっ!今日はどうかなっ?」
Sちゃん:「……」
<なんだ?先週の再現フィルムか?>
Sちゃん:「この曲難しいな」
私:「そやね」
Sちゃん:「だから、ここまで。でも、ここからはあんまり自信がない…」
私:「お、やったんやね。」
<ホッ(^-^)>
私:「んじゃ、先に、自信のあるとこだけ、どうぞ」
Sちゃん、ゆっくり弾きます。
間違いを直しながら、何とか両手で弾きました。
私:「なら、その自信のないところから弾こっか。片手ずつ。」
片手ずつ弾きますが、これは完全に練習不足⤵️。
何回か弾いて貰い、あれこれ直した後に、
私:「ここはやっぱり、片手練習が足りないね。両手はまだやったらアカンわ。また頑張っといで」
Sちゃんもよくわかっているので、うなずいています。
私としては、少し残念モード。
先週が先週だし、Sちゃんならもう少し頑張ってきてくれるかと思っていたので…。でも、気を取り直して、
まんまと…
私:「はい、次の曲やろっか」
Sちゃん、黙って次の本を開きました。
私:「これは?どんな感じ?」
Sちゃん:「……」
<えー、これも?>
私:「おお!全部できたんか?」
<冗談で、嫌がらせみたいに聞きます>
Sちゃん「うん…」
私:「えっ!ホンマに?」
<し、失礼しました!>
Sちゃん:「あっ!でもな、まちがうで!」
私:「ううん、そーんなん、いいよお!すごいやん!うれしいわ~」
<あれ?もしかして>
私:「あっ!この曲を後にしたのはこの為か?!」
Sちゃん:「うん…」
私:「!」
Sちゃんがニヤニヤ笑ってるのが、マスクを通してもわかります。
Sちゃんの作戦
そうなんです!
私はSちゃんの思惑にまんまと、はめられてしまったのです😆。
もしも先に、この、出来てる曲を聴いて、後にあまり芳しくない曲を聴いたらどうだったでしょう。もちろん、私は1曲めを聴いて誉めたはずです。
でも2曲目で、「あーらら」って事になり、
私:「はい、来週頑張っといで!」で、終わることになった思います。
ところが!その逆だと、こんな事になるのです!
先週の事もあり、ついさっきまで残念に思っていた分、嬉しさも増します。大喜びの先生の顔を見ることに!
そして生徒さんも先生も、気持よ~く2曲目のレッスンに入れるのです。
あちゃ~😆、Sちゃんに1本取られました!
やるな、おぬし!
聴いたら
弾いて貰うと、良く弾けてます(いくら嬉しくても、冷静に聴いてますよ(^^)d)。彼女が卑下するようなことは全然なく、あとは弾き込んでくるだけです。
頑張ったんやね♪。
そして聴きながら、私は可笑しくなってきました。
色々考えて来たんでしょうね。1曲目の時も2曲目のことを言いたかったはずです。
Sちゃんが、あとの、この時間のために我慢してたのかと思うと…(笑)。
逆に
私がレッスンの時に心掛けてるのは○×○。叱った後(×)でも、何かしら良いところで誉めてる(○)。良い感情で終わらせようと思っています。
今回、逆にそれをSちゃんにやられてしまった訳です。
Sちゃんはきっと、そこまで考えてやった訳ではありませんが、お陰さまで今回、Sちゃんも○、私も○でレッスンを終われました。
レッスンにおける弾く順序のお話でしたが、「たかが順序、されど順序」。
バカにはできません。
おもしろいなぁ、長くレッスンしていると、こんな成長(?)も味わせて貰えるのね。
単純な私は…喜んでます…ふふふ。
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