ピアノを長く続けていると、時にはお家での練習ができなかったり、サボってしまうことは誰しもあるかと思います。

今回は生徒さんが練習をしないでレッスンにいらした時、当ピアノ教室(高槻市)ではどんな考えのもと、どんなレッスンをしているのか、1つの事例を紹介してみたいと思います。

頭を真っ白にする時間

中学生になって、大抵、皆さんが直面するのは、勉強、部活、塾。+ピアノ。ああ、忙しい…。
そして、忙しい→練習できない→進まない→辞める

このパターン結構あります。

早い子で小学校高学年で、じわじわとこの流れはやって来ます。

でも、それと同時に、身体や心にしんどさもやってくる時期でもあるのです。

私はそんな時だからこそ、ピアノを辞めずに、弾くことだけに没頭して、リフレッシュする時間をもって欲しいと思います。

とにかく来て

練習してなかったら、レッスンとして一緒にやればいいのです。1週間に一回の練習でも少しは上達していきます。そんな生徒さんに言います。
「今日で1ミリ進んだね~」。

もちろん、1週間バリバリ練習してくる生徒さんのように進みはしません。(進んだらその子に申し訳ない(^-^;)

けれど、やらないよりずーっと良いのです。

「楽しかったわ」

まさに、今日レッスンだった中学1年女の子Sちゃん(高槻市)がそうでした。

譜面台にテキストを開け、椅子に座りましたが、何だか、みょ~に落ち着いています。

私:「さ。どこまで?どんな感じかな?」
Sちゃん:「……」
マスクしているので、今一つ、表情が見えません。
<嫌な予感…>

私:「なんや、やってないのん?」
Sちゃん:「うん」
私:「え?全然?忙しかったん?」
Sちゃん:「ううん、全然忙しくない」
<あんらま…>

私:「…こっちの曲も?」
Sちゃん:「うん」
<まぁあ、開き直って来たねぇ…>

私:「しょうがないな、ま、先週頑張ったしな、(※)、そしたら何する?これらを(テキストのこと)一緒にやる?それとも連弾で遊ぶか?」
Sちゃん:「どうしよっかなぁ?…テキストは自分でやってくるわ。連弾やる」

ということで、テキストは彼女に任せて、初見(初めて見た楽譜をいきなり弾くこと)で連弾をすることに。
ホントに、先週Sちゃんはよく頑張ったので、今週はこれはこれで良いと思いました。彼女もやるべきなのは、よくわかっているからです。
初見連弾なのでSちゃんにしてみたら、ハラハラの30分間だったはずです。あっという間に終わり、テキスト閉じながら、

「楽しかったわ」

ぼそっと、一言。そして帰って行きました。私もいい時間が過ごせたと思いました。
そして、ハラハラしていた時間は弾く事しか考えてなかったはず!まさに「頭を真っ白にする時間」。

※:こちらもどうぞ→「どちらもがんばりました💮〜小学6年女の子Aちゃん、中学1年女の子Sちゃん(高槻市)」

「…べき」はやめよう

ピアノの先生として常に、何か教えるべき、上手にしてあげなければいけない、と思ってきました。当然、教えることが仕事なので、そうなのですが、その考えに縛られてしまうと、生徒さんの様子(体調、心、環境など)がいつもと違う時に良い対応ができなくなってしまいます。コロナ禍において、不調な子供達が増えてきた感じもして(まさに、今日もニュースで取り上げてました)、最近、余計にその思いが強くなっています。
前述のSちゃんのように、たとえ元気であったとしても、遊びのようなその時間がその子にとって、無駄な時間には絶対にならないと思います。むしろ、よい時間になると信じます。

いいときぃ、わるいときぃ

では、前述のSちゃんのようなレッスンが、毎週毎週ならどうかと言うと…まずい…ですよねぇ。
さすがに、私もそこまでの許容範囲はないです(^-^;。
でもきっと、生徒さんの方が「これではまずい…」と思ってくれます。それまでに自分の演奏、練習に満足感を覚えた事がある子なら絶対です。子供をみくびってはいけないのです。そして、それまで私は待つしかありません。もちろん、状況により、叱咤激励はしますが。

その子の長いピアノ生活(長くあって欲しい)において、紆余曲折、止まりたい時があるのは当たり前です。その時々の状況に合わせて、ぐいぐいと進めて行く時期もあれば、ゆるい時期もあっていいと思います。言葉は悪いかもしれませんが、ピアノ教室を上手く使って欲しいのです。

でも指導者として、絶対はずしてはいけないのは、その子のピアノを始めた理由、「ピアノが好き」を決して消えさせてはいけない事です。これは常に肝に命じています。
さあて、Sちゃん、来週はどうしてくる?

こちらもどうぞ→「どっちから弾く?生徒さんの気持ち~中学1年女の子Sちゃん(高槻市)」

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